コーヒー豆の保存方法について考える前に、まずはコーヒー豆がどのような要因で劣化していくのかについて整理をしていきましょう。
水分
コーヒー豆は焙煎によって大きく水分を失った状態であるため、吸湿性が非常に高まった状態にあります。
そのため水分は劣化の要因として影響が非常に大きく、コーヒーの保存の際には出来るだけ水分を遠ざける必要があります。
酸素
酸素は酸化を促すという点で、あらゆるものの劣化要因と言えます。
ただし空気中に約20%含まれている成分であることから、酸素の影響を取り除くためには脱酸素剤や特殊バルブの装着が必要となります。
コーヒー豆を購入した段階では、販売店側で酸素の影響を取り除いていることが多いので、なるべく使用する直前まで封を切らずに保管し、
封を切った後は出来るだけ早めに使い切るように心がけてください。
光
水分や酸素ほどではありませんが、光に含まれる紫外線もコーヒーの風味に影響を与えます。
光の場合は、暗所で保管するか化粧缶などで保管することで対策が可能です。
また、コーヒー豆の包材自体も光を通さないタイプのものであることが多くなっているので、封を開けない限りは光の影響はそれほど大きくないと言えます。
温度
意外に思われるかもしれませんが、温度の影響はそれほど大きくないそうです。
ただし、温度が10度上がると劣化速度が約2倍になると言われていますので、やはり家の中の冷たい場所で保管するに越したことはないようです。
以上のような劣化要因を考えると、対策が難しいのは水分と酸素のようです。
水分と酸素の影響はコーヒー自体の状態によって大きく異なり、豆から粉の状態になると表面積が急激に大きくなるため、これら2つの影響を大きく受けることになります。
豆での保存が最適といえるが…
そのためコーヒー豆を保存するための最適な状態は、豆の状態で冷暗所に保存するということになります。
封を開けていない状態であれば冷凍庫、開けた状態であれば防湿リング付きの化粧缶に入れて涼しい場所で保存して下さい。
しかし、豆の状態でコーヒー豆を購入する場合、ミルを持っているかミル付きのコーヒーメーカーを持っている必要があります。
ミル付きのコーヒーメーカーは非常に便利かつ意外に壊れづらいのでオススメですが、どちらかと言えば普及率は高くないと思いますので、粉で保存しなければいけない場合の保存方法も考えておきます。
粉での保存は封を開けるまでは冷凍庫、封を開けたら化粧缶で保存し、早めに使い切りましょう
粉で保存する場合、開封前であれば上述したように包材自体が酸素や光を遮断出来るものが多いので、豆の場合と同様に冷凍庫のように低温かつ乾燥している場所で保管することをオススメします。
ただし、使用する際には一度常温に戻さなければ、抽出の温度が下がってしまい味わいが変わってしまうのでご注意下さい。
また、この方法でもある程度品質が保てるのは1ヶ月程度なのでご注意下さい。
一方、開封後はすぐに防湿リングのついた化粧缶に移し、早めに使い切る以外に方法はありません。
時折、開封後も冷凍庫で保存している方に出会いますが、封が開いている以上は水分と酸素で劣化は進んでしまいますので、化粧缶での保存をオススメします。